離婚して1ヶ月。久しぶりに父と会う子どもたち〜前編〜

不登校

「どこに行きたい?」と聞くと、7才の兄は、先週友だちと行ったおもしろ自転車がある公園をリクエストした。

新しいことや人に不安感が強い自閉症の兄は、何をするにも「おかあと!おかあと!」と隠れるんだけど、保育園時代からよく知る友だちのお兄ちゃんが、それは上手にエスコートしてくれて、少しずつ子ども同士で乗れるようになり、なんとその後、その自転車に1人乗れるようになった!母は密かに感動してたんだけど、友だちの母ちゃんも、そんな小さな成長に気付いてくれるあたたかい人で、そういう友だちがいること、親子そろって宝だなと感じてる。

で、今週もその公園に行きたい!と。

父ちゃんと会うことには少し緊張しているように見えた。半分は楽しみにしてるのかな、日が近づくにつれ、何気ない普段の生活から「おとお」の話が増えた。

4才の弟は、先週行った楽しかった公園に行ける!というので、やったー!とはしゃいでいたし、父の話も無邪気にしてた。

当日の朝、テンション高い子どもたち。

朝から音楽会をしたり、踊り出したり、「おかあ!お手伝いあるか!?」と聞いてきたり。掃除や洗濯物をたたんでくれたり。なにかしら身体を動かしてたいような、じっとしていられずソワソワしている。

久々の父ちゃん。音楽隊の子どもたち。ウェルカムな雰囲気に父ちゃんの方が安心したんじゃないかな。

子どもたちは久しぶりに家に来た父に、いろんなものが見せたくて、いろんな今を知らせたくて、おもちゃ持ってきたり、絵を描いたり、最近やってる筋トレ誘ったり。笑(朝から《地獄の9分》という筋トレをやらされる元夫。けど前なら「や、ちょっとおとおは無理」とやらなかっただろうが、やってみたよう。笑)

私は昼の弁当4人分を作り、みなさんほぐれたかな?とタイミング見つつ、私も大丈夫かな?と心に聞いて、「そろそろ行くかー?!」と元気に声をかける。

4人で車に乗り込む。アクセルがいつもより重たくて、大人の男の人ってこんなおもいんだ。と懐かしいような新鮮なような不思議な感覚。ずぅぅん。

おもしろ自転車は楽しかった。子どもたちは、おとおにいいとこ見せたくて、目に見えて張り切っていた。父もまた、それに答えるかのように子どもたちを見てくれていた。離れた時間がそうさせたのかな。いつもなら携帯いじって座ってるところ、子どもたちに誘われると嬉しそうに応じて、たくさん自転車漕いでいた。兄は早いうちから1人で自転車にのり、スピードを出して楽しんでいた。弟もまた1人で乗れるようになって、それがまた嬉しくて、何度も何度も同じ自転車を選びぐるぐる回り続けた。父もずっとその場と空間にいた。結局チケットを延長し、1時間以上遊んだ。みんなそれぞれに思い思いの自信をつけてたようにおもう。

お昼。小学校1年生にあがってから人前でごはんが食べられなくなった長男。少しずつだけど、知ってる人の前なら少量食べることができるようになった。車なら大丈夫とか、自分なりの安心できる場所を見られるようになってきた。けどまた不安定。そんなところ。

今日はうんと楽しみにしていて、大はしゃぎでどうかな、と思ったが、そでを小さく引っ張ってきて「おとおの前でごはんが食べられない」と声にした。聞こえないように言ったのは、父への気遣いなのかもしれない。弱い自分を見せたくなかったのかもしれない。

「いいよ」と母と車へ。弟は、兄が食べられないことを経験的に知っているので、「どっちでもいいよー」と父と芝生でごはんを食べた。

あんなにさっきははしゃいた兄だが、車の中に傘やチャイルドシートで隠れ家を作り、人がいないか、見られてないかをとても気にし出し、小さくなって隠れる。弱っているところに敵がこないか隠れる本能なのか。そんな風に彼にとっての自己コントロールがあるので、私は、うん、いまはそっとしてこおうといつものようにゆったり過ごす。

干渉せず、同じ空間にいると次第に呼吸が調和するのか、長男も落ち着いてくる。隠れ家の形をアレコレ変え、没頭する。しばらくすると、しっくりくるカタチに仕上がったのか、「おかあ!」と呼んで、サンドウィッチを食べ始めた。クーラーをつけて、良い温度になったら、お茶もしっかり飲むことができた。お腹が満たされたら、フーっといつもの長男の顔にもどってきた。そして「あっちにはもどらない、しばらく休む」と言ってきた。

素晴らしい。

1年前はこんな風に言えただろうか。これ以上いるとしんどいってポイントが自分でよく解ってる。これはワガママではなくて、ちゃんと自己コントロールできてるってことなのよ。すごいことよ。笑

長男の場合、「こうしたい」という自己決定をなるべく聞き入れてあげることで、先に進めることがたくさんある。それはワガママを受け入れることではなくて彼の独特な行動は、彼独自の対処法であるを理解しながら関わるということ。言葉足らずで分かりにくいんだけど、確かに意思表示している心を見逃さずに一緒に提案にのってみると、意外とお互いノンストレスで、次にいけたりする。私が思う以上に、長男は自分の特性とうまく付き合う術を身につけてるのかもしれないって気付かされることがたくさんある。おもしろいのよ、この子との関わり。

ただ、こんなのなかなか理解されないから、生きづらさになっちゃうんやけどね。「車に行く」といえたこと、母ちゃんはすごいなって思うよ。

さておかあもサンドウィッチもぐもぐ。

後編に続く…

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